茎茶(くきちゃ)について

茎茶は緑茶の一種で棒茶(ぼうちゃ)とも呼ばれます。 茶の若枝、茶葉の柄、新芽の茎を混ぜて作られます。芽茶、粉茶とともに出物と呼ばれ、荒茶から煎茶を製造する過程で取り除かれた部分から作るものです。 需要と供給のアンバランスにより価格が安いため「二級品」とされがちですが、甘味・旨味・香り成分は葉よりもむしろ茎の方が豊富であり、茶の抽出源として優れた面も多い部位です。

玉露や高級な煎茶の茶葉から作られた茎茶のことを特に雁ヶ音(かりがね)、白折(しらおれ)と呼び、玉露の旨味と茎茶独特の風味から珍重されます。  水色(すいしょく)は薄いですが、さわやかな味と香りがあり、またアミノ酸が多く含まれる部位であるため旨味が強いのも特徴です。

茎茶を焙煎して、ほうじ茶が作られる場合もあります。茎ほうじ茶としては、特に石川県の加賀地方で作られる加賀棒茶が有名です。 豊富な香り成分を焙煎によってさらに増幅するため、葉の煎茶とは比較にならないほどの極めて芳醇な香りがあります。また、茎はもともとカテキンが少ないですが、焙煎によって苦味成分のカフェインも昇華するため雑味が非常に少ないため、雑味を避けて低温抽出する必要がなく、甘味と旨味の豊富な茶を高温で楽しめることも特徴です。

 

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